中小企業にとって、事業承継は避けては通れない道だ。手塩にかけて育てた会社を手放す経営者、その意志を引き継ぐ後継者、仲介役の第三者。それぞれの視点から課題に迫る。

心積もりはできていた。
「20年近くずっと、会社の一切を『自分事』として捉えてきたので」
青木康洋(39)は昨年3月、自動車のカスタムパーツを扱うリベラルコーポレーション(川崎市高津区)を父親の隆明(77)から引き継いだ。
学生時代に家業を手伝い始めて以来、いつか来るその日に備え、進むべき道を頭の中に描いてきたという。
満を持しての出発だったが、新型コロナウイルスの感染拡大という逆風が吹き荒れる。
二人三脚
事業承継(6)親子、社内昇格、第三者… それぞれの最適解
親子二人三脚でリベラルコーポレーションの経営を担う社長の青木康洋(左)と、会長の隆明=川崎市高津区千年 [写真番号:587710]