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挑む中小企業 ファミリー電気商会(横須賀市)
カフェ? いいえ、街の電器屋です 横須賀の挑戦に熱視線

経済 | 神奈川新聞 | 2021年4月11日(日) 06:00

 家電量販店やインターネット販売の普及など、「街の電器屋さん」を取り巻く環境は近年、厳しさを増している。そんな中、パナソニック系列店を4店舗展開する「ファミリー電気商会」(横須賀市)は、若い世代にその存在や価値を知ってもらうための試みを続ける。目指すのは「街の電器屋」の復権と、新たなビジネスモデルの構築だ。

店舗ではコーヒーとドーナツを販売。さながらカフェのようなファミリー電気商会大津店=横須賀市

美容家電のサブスクも

 京急大津駅近くの大津店(同市)はさながらカフェのような雰囲気だ。昨年3月、数百メートル離れた場所から移転しリニューアルした同店では、パナソニックの焙煎器で煎(い)った豆を使ったコーヒーやドーナツを販売。セットだと500円で提供している。カウンターでは、コーヒーを飲みながら、午後のひとときを楽しむ女性客の姿があった。

 同店はパナソニックの新ブランド「クラシンク」の1号店。「暮らし」と「THINK(考える)」を掛け合わせたもので、「家電製品を通じ快適な暮らしを提案するとともに、新たなライフスタイルを体験できる場」をコンセプトとする。

 父親が創業した会社を35歳で継いだ高橋繁一社長(46)。「街の電器屋」が、自分と同じ、もしくはもっと若い世代に認識されていない現状を打破したいと考えてきた。

 「家電製品の販売や修理だけでなく、住宅建材なども扱い、リフォームも手掛けている。お客さまと信頼関係を築く中で生活に寄り添い、コンサルティングを行うのが私たちの仕事」

 移転後は、来店のきっかけにしようと、美容家電のサブスクリプション(定額制)サービスも開始。月額3800円で、店内の製品を月8回まで利用できる。新型コロナウイルス禍が収束したら、店舗でパナソニックの家電製品を使った料理教室を開催予定という。

 オープンから1年余り。狙い通り若い世代も訪れるようになり、移転前と比べて客数は約2割増えた。「チラシを1万部配っても、問い合わせは1~2件程度であることを考えれば、手応えは十分」と高橋社長。コーヒーをきっかけに来店した客を製品の購入にどうつなげ、ファンを増やしていくかが、今後の課題だ。

次世代店舗のあり方は

 パナソニックは、次世代の街の電器店の姿を探るため、ブランドショップ構想に着手。18年4月には、藤沢市内にテスト店舗として「クラシンク」をオープンした。

 電機メーカーである同社にとって、小売りは初めての挑戦。「憩いの場」「相談の場」「集いの場」をキーワードとした、新たな店づくりを3年間にわたり展開した。その流れを受け継いだファミリー電気商会の試みはいわば、モデルケース。全国の系列店が注目しているという。

 社内改革にも取り組む同社。19年1月からは本社、店舗とも完全週休2日制を導入している。「毎日店を開けていると、社員も休みにくいし、良い人材も集まらない」と高橋社長。社員の士気高揚にもつながり、売り上げはむしろ伸びているという。人々のライフスタイルや価値観が多様化する中、今後も時代に合った電器店の姿を追求していく考えだ。(岡本 晶子)

 ◆ファミリー電気商会 1974年創業。資本金500万円。家電製品と住宅設備の販売・施工・修理・保守点検を手掛ける。本社は横須賀市森崎1の10の4。従業員数はパート含め30人。

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