「普段使いができて、災害時でも役に立つものを販売していきたい」
防災用品を取り扱うセイエンタプライズ(東京都)が東京都内で運営する防災用品のショールーム「セイショップ」の布山夕紀店長(35)は思いを語る。
「災害に備えて購入し、保管しておく」というイメージを拭い、日常生活の延長で災害時も利用できるような防災用品の品ぞろえを意識しているという。
同社は昨年、「防災する自転車Ⅱ」(15万1800円)をメーカーと共同開発。タイヤに特殊なチューブを入れてパンクを防止し、空気の補充も不要だ。非常時には電動アシスト自転車として使用するための小型バッテリーを取り外して携帯電話などの充電ができるようにした。
被災地では交通手段が限られ、自転車が使われることが多いということから開発に着手。機能性と同時にデザイン性にもこだわり、通勤や通学でも使えるような製品として販売している。
「災害に備えて防災用品をそろえるには、精神的にも、経済的にもある程度の余裕がないと難しい」と布山店長。日頃から使える製品にすることで、防災用品を購入する際のハードルを下げ、さらなる定着と市場の拡大を目指す。
非常食、おいしく
防災市場の今(中) 災害用品、決め手は「普段使いできる」
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セイショップが販売する「防災する自転車Ⅱ」 [写真番号:541624]
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自転車のバッテリーを取り外し、スマートフォンを充電することもできる(セイショップ提供) [写真番号:541631]