2回目の緊急事態宣言は初回以上に精神的なダメージが大きい─。県内の飲食店経営者ら1万人近くが加盟する県生活衛生営業指導センター(横浜市中区)の八亀忠勝理事長(83)は嘆息を漏らす。「『もう限界だ』と仲間が去っていく。見ていられないよ」と。
─17業種の組合を束ねる指導センターの理事長として、経営者の悩みに耳を傾けている。
「相談の多くは融資関連だ。夜の営業がメインの飲食店をはじめ、喫茶店やクリーニング店、公衆浴場、旅館と軒並み売り上げが落ち込んでいる。資金繰りに窮した仲間を政府系金融機関などにつないでいるが、正直、現状のままでは返済の当てが見当たらない」
「先日もスナックの女性経営者から立て続けに『辞める』と連絡があった。苦しい状況ながらも短時間だけ店を開けて常連客を受け入れ、何とか従業員の雇用を守ってきたそうだが、疲れ切った表情で『力尽きた』と言われてね。掛ける言葉がなかったよ」
─1月に緊急事態宣言が再発令された。