新型コロナウイルスの影響で地域経済の屋台骨が揺らいでいる。中小企業の経営を下支えする信用金庫が、これから果たすべき役割とは何か。昨年6月に就任した湘南信用金庫(横須賀市)の鷲尾精一理事長に聞いた。

─営業エリアの現状は。
「中小企業が対象の景況感調査では昨年の春を底に改善傾向にあるが、停滞感は継続している。特に飲食や観光といったサービス業への影響が色濃い。夜の『どぶ板通り』は壊滅的な状態だ。支店を構えている鎌倉や横浜中華街も本来の姿とは程遠い」
「テレワークの普及を背景に湘南の不動産需要が高まっている。特に鎌倉や藤沢などの海側では高値での物件取引が活発で、都内在住者が移住先としてやや広めの土地を取得する動きも出てきた。こうした盛り上がりが横須賀に波及するのを期待している」
─企業倒産件数が低水準で推移している。