外食大手コロワイド(横浜市西区)による定食チェーン大戸屋ホールディングス(HD、東京都)への敵対的な株式公開買い付け(TOB)が成立したのは、今年9月のことだった。コロワイドが昨年10月に大戸屋HDの筆頭株主になって以降、子会社化へ向けた交渉をスタートさせたが、図らずも、実現したのは新型コロナウイルスの感染拡大の時期に重なった。
コロワイドの野尻公平社長は「コロナ時代に対応できる業態をつくっていかなければいけない。あるいはM&A(企業の合併・買収)でそういう業態を補強しなければいけない。大戸屋はコロワイドが持っていなかったピースを埋められる」と話す。
業界4位の年商を誇るコロワイドの売上高は8割がレストラン事業、2割が居酒屋事業で構成されている。ただ、レストラン事業は焼き肉やステーキといった特化型が中心だ。
一方、大戸屋HDは定食という総合型レストランで、コロワイドにはない業態だ。
コロナ時代の業態転換 大戸屋は「欠かせぬピース」
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