新型コロナウイルスの感染拡大で窮地に立たされている外食業界。大手のコロワイドはいかにして生き残るのか。
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虎視眈々(たんたん)とその機会をうかがっていたかのようだった。
7月9日、外食大手コロワイド(横浜市西区)は定食チェーンの大戸屋ホールディングス(HD、東京都)の子会社化を目指し、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。6月の株主総会で大戸屋HDの経営陣刷新を求めた株主提案の否決から2週間後のことだったが、29ページにも及ぶ資料からは綿密に計画された様子がうかがえた。
その後、大戸屋HDが反対を表明したことから「敵対的買収」へと発展したが、TOBはコロワイドの戦略通り、9月に成立した。今月、同社の野尻公平社長は神奈川新聞社の取材に対して、こう言い切った。
「コロワイドはこれまでM&A(企業の合併・買収)で成長してきた。(買収先企業の)再建のノウハウもある。大戸屋は来期、黒字になります」
批判横目に実践
同社の歴史は、M&A戦略とともにあると言っても過言ではない。