南米大陸ブラジル北部の都市マナウス。地元の市場は人が行き交い、商品棚には野菜や果物、魚が並んでいた。
男性ガイドは、スマートフォン越しに見える日本の参加者に呼び掛けた─。
海外旅行ツアー予約サイトの運営会社「ベルトラ」(東京都)は7月、オンラインツアーを開始。自宅で旅行を疑似体験してもらおうとビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を活用した初の商品で、マナウスの市場ツアーはその第1弾だった。
同社は現在、国内外で約80のオンラインツアーや講座を展開する。平均時間は1~1時間半で平均単価は3千円。参加者は一つのツアーに対して、数人から数十人に上るという。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、海外旅行需要は激減。観光庁によると、主要旅行業者の海外旅行取り扱いは5~7月のいずれも前年同期比99%減となった。
世界150カ国、4千超の現地ツアー会社やガイドと契約する同社にとって危機的な状況で、「リアルの旅」に代わる商品を開発したのは必然だった。他の海外旅行業者もビデオシステムや仮想現実(VR)の端末を使用した「疑似旅行」の商品を次々と生み出している。
コロナ禍で生まれたバーチャル旅行はマーケットとして成り立つのか。
コロナ時代の旅(下) オンラインツアー、新コンテンツに
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南米ブラジルの市場ツアーでは、現地のガイドが生中継で商品などを紹介する(ベルトラ提供) [写真番号:351545]
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イタリア・フィレンツェの美術館鑑賞では、現地の公認ガイドが作品を詳しく説明する(ベルトラ提供) [写真番号:351546]