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宮崎駿監督 引退撤回の陰にあった“がん急逝”戦友が託した遺言

カルチャー | 神奈川新聞 | 2017年3月9日(木) 13:26

 2月25日、宮崎駿監督(76)が新たな長編アニメーション映画の製作準備に入っていることが明らかになった。13年9月の引退宣言から3年半、“引退撤回”の陰にいったい何があったのか。映画関係者がこう明かす。

 「スタジオジブリで色彩設計を担当していた保田道世さんが昨年10月に亡くなったのです。がん闘病の末、77歳で天国へと旅立ったそうです。『風の谷のナウシカ』からジブリを支えてきた人で、監督も“戦友”と呼ぶほど手腕を認めていた。彼女は宮崎作品の復活を願い続けていました。監督も復帰することで元気づけようとしていたのでしょうね」

 1月29日放送されたNHKドキュメンタリー番組『終わらない人 宮崎駿』のなかでも、宮崎監督は保田さんについてこう語っている。

 「ヤッチンが『もう1本やりなよ』って盛んに言っていたんだよね……」

 宮崎監督が新作映画の企画を出したのは、保田さんが存命中の昨年7月だったという。もう一度、新作を――。それは闘病中の彼女が託した“遺言”だったのだろう。

 復帰報道後の3月初旬、宮崎監督は愛車のシトロエンに乗り埼玉県の自宅を出た。向かった先はスタジオジブリ近くにあるアトリエ。早くも制作の準備に取り掛かっているようだ。

 翌日、自宅近くを散歩していた宮崎監督。新作にかける思いについて聞くべく声をかけた。

 「今は言える段階ではないんですよ……」

 そう語る宮崎監督。保田さんについて聞いてみた。

 ――復帰は、保田さんのためでもあるのでしょうか?

 「いやぁ、やっぱりね……」

 何か言いかけると言葉を濁す。それでも「公開されたら3回見ます!」と言葉をかけると「はい、ふふふ」と笑った宮崎監督。そこには新作への強い意欲がうかがえた。【女性自身】

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