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服部宏のシネマパラダイス
問題児を変えた教師の実話 「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」

カルチャー | 神奈川新聞 | 2016年8月4日(木) 09:41

(C)2014 LOMA NASHA FILMS-VENDREDI FILM-TF1 DROITS AUDIOVISUELS-UGC IMAGES-FRANCE 2 CINEMA-ORANGE STUDIO
(C)2014 LOMA NASHA FILMS-VENDREDI FILM-TF1 DROITS AUDIOVISUELS-UGC IMAGES-FRANCE 2 CINEMA-ORANGE STUDIO

 貧しい人たちが暮らすパリ郊外の高校に、さまざまな人種の問題児を集めたクラスがあった。無気力と劣等感に覆われた生徒の前に、新任の歴史教師ゲゲン(アリアンヌ・アスカリッド)=写真=が現れる。

 ゲゲンは生徒を「信じる」ことから始め、全国的な歴史研究コンクールに応募しようと持ち掛ける。テーマはアウシュビッツ。「面倒くせえよ」「俺たちにできるわけないじゃん」と、生徒は猛反発。

 ゲゲンは実際にアウシュビッツ強制収容所を体験したレオン・ズィゲルという老人(2015年1月死去)を教室に招く。眼前で語られる悲惨な過去。その日から、生徒は少しずつ変わっていった-。

 フランス映画「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」は実話に基づく。元生徒が脚本作りに加わり、主演級で出演。製作・脚本・監督はマリーカスティーユ・マンションシャール。

 ゲゲンの情熱と知恵は、ホロコーストを生徒に引き寄せた。生徒たちは、当時のフランスの為政者が率先してユダヤ人逮捕に走ったことを調べ上げる。自国の汚点も知るべきだという姿勢を先生は貫く。

 ナチスの蛮行は、他民族への偏見と差別から始まった。故に、ゲゲンは生徒間の差別的な言動を許さない。ファシズムの芽は日常に潜んでいる、と教える。

 冒頭のイスラム教徒の生徒と教師の応酬から、希望をともすラストへ。「教育は何かを変えることができる」という実例が胸を打つ。アスカリッドの懐の深い演技と、生徒役の素人俳優が一体になったシーンはドキュメンタリーを見るようだ。

 ヘイトスピーチが大きな社会問題になっている今、価値ある一作。

 1時間45分。東京のヒューマントラストシネマ有楽町、恵比寿ガーデンシネマなどで6日公開。

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