
横浜を半世紀にわたり写し続けている写真家、森日出夫さん(68)が、移ろいゆく街並みを独自の視点で捉えた写真集「1969-2016 Yokohama Chronology」(ヨコハマ・クロノロジー)を出版した。
森さんの両親は横浜市西区で青果店を営み、9人きょうだいの下から2番目に生まれた。幼いころから父親に連れられて伊勢佐木町で映画や買い物を楽しんだり、本牧の海岸でアサリを採ったりして過ごした。義理の兄の影響で写真に興味を抱き、1969年から横浜の日常を写すようになったという。
クロノロジーは年表、年代記といった意味で、市内の主な地域別に年代順に収録した。伊勢佐木町や元町、中華街といった繁華街をはじめ、横浜港や黄金町、横浜橋、寿町など中・西・南区を中心に、戸塚区の旧ドリームランドの空撮や鶴見区の「生麦貝ノ浜」など往時の姿がモノクロやカラーで収められている。構成は横浜出身のデザイナー穂積由紀夫さんが担当した。
個人的に撮影した作品を本格的な写真集としてまとめたのは初めて。「森日出夫という一人の人間の視点で記録した写真集を通して、時代とともに移ろいゆく街並みの記憶を多くの方と分かち合いたい」と話している。
限定500冊で、森さんが記したシリアルナンバー付き。224ページ。1冊5千円、有隣堂など市内書店などで販売している。問い合わせは、アマノスタジオ電話045(201)4876。