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小堺一機 『ごきげんよう』31年半で学んだ“司会の極意”

カルチャー | 神奈川新聞 | 2016年5月27日(金) 10:54

小堺一機 『ごきげんよう』31年半で学んだ“司会の極意”(写真:女性自身)
小堺一機 『ごきげんよう』31年半で学んだ“司会の極意”(写真:女性自身)

 「長年司会を務めさせていただいた『ライオンのごきげんよう』が終了して1カ月以上たちましたが、まだピンとこないところがありますね。頭では『終わった』とわかっていても。でも、今年の1月3日に還暦を迎えたし、『いいタイミングでひと区切りついたかな』という気がしています」

 そう振り返るのは、“ごきげんよう”を3月いっぱいで卒業した小堺一機。“ごきげんよう”の前身『ライオンのいただきます』の司会に抜擢されたのは1984年10月、28歳のとき。それから31年半にわたって“いただきます”“ごきげんよう”の司会を務めたが、その道のりは平たんではなかった。

 「高視聴率の『笑っていいとも』の後続なのに、最初は視聴率がパッとしなくて。“いただきます”はスタジオアルタから生放送で“いいとも”のお客さんがそのまま残っていた。でも、いかにも『残ってやってる』という感じで、新聞には『消えていただきます』と書かれたりしました。番組の名前にひっかけて。『うまいこと書くな』と思いましたけど(笑)」

 低視聴率に悩んでいる彼に追い打ちをかけるような言葉……意外にも、それが転機を生んだ。

 「悩んで『俺どうしていいかわらねえ……』と思っているところへ、当時番組のプロデューサーだった横澤彪さんが『小堺君、この番組はいつからおもしろくなるの?』と。それも、本番5秒前に!僕は『もういいや』と開き直って、お客さんの前で『いまプロデューサーの横澤さんから「いつからおもしろくなるの?」って聞かれたんですけど、知りませんよ!』と言ったんです。そうしたら受けちゃって。そのとき『こういうことなのか』と」

 それまではひたすら「うまく司会をしたい」「受けたい」と必死だったという。その必死さが逆に「お客さんには重苦しくて、僕が一生懸命に言っても笑ってもらえなかった」と振り返る。 

 「要するに、僕は格好をつけていたんですね。でも、本音をぶちまけたことでお客さんもホッとして楽になった。そして、お客さんとの距離が縮まって、僕の言うことがストレートに伝わるようになった。これが31年半も司会をすることができた――番組が続いた理由の一つじゃないかと思っています」

 さらに苦しんでいる彼を助けたのは、先輩たちのアドバイスだったという。

 「視聴率が低迷しているときに、僕が”師匠”と仰ぐ萩本欽一さんと堺正章さんに異口同音に言われたのは『毎回おもしろいゲストが来ているのに、なんでおまえが独りでしゃべっているの!?』。つまり僕がしゃべるんじゃなく、ゲストにしゃべらせるようすれば――僕が聞き上手になれば番組はおもしろくなると。まさに師匠たちのおっしゃるとおりでした」

 番組は31年半という長期にわたってお茶の間を賑わせた。その安定した司会ぶりもまた、長寿番組となった理由のひとつだろう。

 「いま思うのは“時間”とは添え木みたいなものなんですね。若いころの『知ってる』『得意だ』は薄っぺらい紙切れみたいなもので、風が吹けばどこかへ飛んでいってしまう。それくらい“軽い”んです。でも時間をかけて薄っぺらい紙に諸先輩のアドバイスやお小言を漆のように塗り込んでいくと、薄っぺらかった紙が1枚の板になっていく。例を挙げると『話がうまい』が、周囲から『話術だ』と評価されるようになる。そういう意味では、“いただきます”“ごきげんよう”の31年半は、僕にとってかけがいのない時間でしたし、『現在の小堺一機』があるのは31年半のおかげだと心から感謝しています」
 
 4月からは新番組『かたらふ~ぼくたちのスタア~』(フジテレビ系)も始まった。還暦を迎え、「これまでと違う小堺一機を見せていきたい」と心を新たにしているという――。【女性自身】

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