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蜷川遺作、故郷で上演 劇場内机に写真 「思い継ぐ」と

カルチャー | 神奈川新聞 | 2016年5月24日(火) 17:54

蜷川幸雄さんの遺産舞台に出演する(左から)多部未華子、藤木直人
蜷川幸雄さんの遺産舞台に出演する(左から)多部未華子、藤木直人

 12日に死去した舞台演出家の蜷川幸雄さん(享年80歳)が演出・監修を務めたシェークスピアの喜劇「尺には尺を」の公開稽古が24日、彩さいの国さいたま芸術劇場(さいたま市中央区)で行われた。蜷川さんが芸術監督を務めた劇場で、俳優の藤木直人(43)と女優の多部未華子(27)が会見に応じた。

 蜷川さんの遺作となった同作。ふたりは稽古場で訃報を知り、号泣した。藤木は、「この(舞台の)稽古場に復帰することが蜷川さんの目標でした。かなわなかったことは残念ですが、その思いをみんなで」と話したところで声を震わせ、「頑張って形にして…、蜷川さんに見ていただけたらなって…」と目を潤ませた。

 藤木、多部ら出演者は4月23日、蜷川さんが昨年12月から入院していた病院にあいさつに行き、手を取り「頑張って」と声をかけたという。多部は「病室で(蜷川さんの)手を握って…。どこかにいるんじゃないかと言う気はずっとします」と語った。

 蜷川さんは入院中も稽古の様子を映像で見て、進捗(しんちょく)を確認するなど復帰に意欲をみせていた。姿はなくても、ここに蜷川さんの魂がある。蜷川組の思いを一つにしようと、蜷川さんが使う予定だったテーブルに写真を置き、公開稽古に臨んだ。

 2014年に同所で上演された蜷川さんの舞台「わたしを離さないで」に出演した多部は、その千秋楽で「一緒にシェイクスピアをやりたい!」と直談判したことを告白。「あのときやりたいと言っていなかったら、私は今ここにいないと思います。明日から頑張っていきます」と決意をにじませていた。

 舞台は、シェークスピア戯曲全37作品の上演を目指し、1998年にスタートした「彩の国シェイクスピア・シリーズ」の第32弾。オーストリア・ウィーンにある街を治めていた公爵から全権を任されたアンジェロ(藤木)が、死刑宣告した男の妹(多部)で修道女のイザベラに恋をしてしまうもの。権力を手中にしたことで、変わってしまう人間の愚かさや滑稽さを描いた。

 舞台は25日から6月11日まで、「彩の国さいたま芸術劇場」で。17日~19日に福岡・北九州芸術劇場、24日~27日は大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで上演される。


 埼玉県川口市に生まれた蜷川さんは、2006年1月から、同劇場の芸術監督を務めており、施設内には訃報の翌日から、記帳台と献花台が設けられている。設置は6月11日まで。

 蜷川さんが手がける予定だった舞台演出は、同劇場の「ハムレット」(10月予定)、KAAT神奈川芸術劇場の「近松心中物語り~それは恋」(来年1月予定)で、それぞれ中止を発表している。

 一方で、65歳以上の出演者と作り上げる群集劇「1万人のゴールド・シアター 2016」については主催者が開催の決定を公表。12月7日に、さいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区)で行う劇への参加者を5月31日まで受け付けている。問い合わせは彩の国さいたま芸術劇場・電話048(858)5505。






劇場施設内の献花台にはたくさんの花が
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劇場外に設置されたレリーフ
劇場外に設置されたレリーフ

レリーフの中には蜷川さんの手形とサインも
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