X JAPANのギタリストなどで活躍し、1998年5月に亡くなったhideさんの名曲を、オーケストラアレンジで再現するコンサートが13・14日の両日、京都コンサートホール(京都市左京区)で行われた。
作曲家の酒井健治さんが、この日のために書き下ろしたhideさんへのオマージュ曲「In a blink -Epigraph for hide(邦題:瞬く -hideのための碑銘)」で幕開け。京都市交響楽団による壮大な演奏で世界初披露し、集まった観衆千人(2日で2千人)を酔わせた。
音楽や高いファッションセンス、そして優しい人柄でファンを魅了し続けてきたhideさん。ギターをかき鳴らし歌ってきた「DICE」などの人気曲に新しい命を吹き込むようにオーケストラが音を編み上げていった。
終盤には、インディーズとして活動をしていた20歳のころ、hideさんと出会ったことが、ロックミュージシャンとして生きる大きな転機になったギタリストで、バイオリニストのSUGIZOさん(46)がゲストで登場。hideさんのために用意された会場中央の座席を見つめると、祈るように「ピンクスパイダー」の旋律を奏で、恩人をしのんだ。
hideさんの両親、そして弟の裕士さんも見つめたステージ。リハーサルを見ずに本番を楽しみにしていたという裕士さんは「hideさんの曲がクラシックアレンジになると聞いたとき、(聞いたら)『悲しくなってしまうかな』と心配していたのですが、とても楽しくて感動しました。終演後ファンの方に、『こんな機会を与えて下さってありがとう』と声をかけていただいて、とてもうれしかった」とホッとした表情を見せていた。
同企画は、日本の音楽シーンに名を刻むレジェンドたちの楽曲を、京都市交響楽団が演奏するシリーズの第1弾として行われた。俳優の小栗旬さんの兄、了さんが演出を手がけた。