
劇場空間に現代美術の作品を並べ、芸術の新しい楽しみ方を提案する「オープンシアターKAAT突然ミュージアム2016」が11日、横浜市中区のKAAT神奈川芸術劇場で始まった。29日まで。入場無料。
国内外で活躍する8人と1組の現代美術家が参加。2階のエスカレーター手前にある壁には、KAATの英文字を立体化したロゴマークがもともと設置してある。その文字の上に、横浜市保土ケ谷区在住の彫刻家、加藤大介さんの作品を並べた。仏像に用いられる乾漆技法で制作された彫刻で、馬に乗り金色のマントをまとった人物像は不思議な静けさを醸し出している。
3階のエスカレーター付近の壁には、大胆な色と形で構成された今井俊介さんの絵画を、舞台映像家の山田晋平さんが映像化して投影。普段は何の変哲もない白い壁が、ダイナミックな動きを見せる。中スタジオの舞台でも「光をあてる」をテーマにした映像表現を追求する志村信裕さんの作品を展示している。
担当する神奈川芸術文化財団の学芸員、中野仁詞さんは「美術館で見る作品を、劇場という別の場所で見る新鮮さや意外さを味わってほしい」と来場を呼びかけた。
14、28、29日にはワークショップなども行う。問い合わせはKAAT電話045(633)6500。