小田原市の代表的な観光スポットの小田原城天守閣(同市城内)が5月1日、リニューアルオープンする。歴史観光の拠点として大幅な魅力アップを図った。目玉は、約150年ぶりに再現される武士の守護神として信仰された「摩利支天像」を祭る展示空間。小田原産の木材を活用し、地元職人の手で現代によみがえらせている。
市観光課によると、昨年7月から工事が行われ、1960年の再建以来、初めての大規模リニューアルという。総事業費は約9億7千万円。
天守閣は鉄筋コンクリートと鉄骨造りで再建されてから50年以上が経過し、2012年に2階部分について「地震による崩壊など危険性が高い」と診断された。市は今回、各階に耐震壁を設置するなど抜本的な耐震補強を行った。屋根の補修や空調設備も導入した。
摩利支天像は江戸時代、武士の守護神として信仰されてきた。小田原城の像はイノシシの上に乗っている三面六臂(さんめんろっぴ)の立像。1960年の天守閣復元以降、最上階の4階に置かれていたが、目立たない場所にあり、あまり注目されなかった。リニューアルの“主役”として、摩利支天像を中心とした空間を再現している。
また、外壁を全面塗装して従来より白い景観にしたり、大画面の映像シアターを新たに整備し、映像演出にも力を入れている。
問い合わせは、市観光課電話0465(23)1373。