
横浜市は4日までに、同市港北区下田町の古民家「田邊家住宅(日吉の森庭園美術館)」を91件目の歴史的建造物に認定した。時代とともに変化してきた生活様式をうかがうことができる貴重な建造物とされ、市の担当者は「里山の風情を伝える竹やぶや雑木林も残され、歴史的景観としても貴重」と話している。
市によると、認定したのは同住宅の主屋と土蔵。主屋は寄せ棟造りの木造平屋建てで、江戸末期~明治初期(推定)に建てられた。土蔵は切り妻造りの木造2階建て。江戸時代に造られたものを1940年に再建したと推定されている。
主屋は改修部分が多いが、銅板に覆われた屋根の内部にかやぶきを残していたり、居室部の元の間取りが分かる痕跡が残されているなど、生活様式の変化を知る上で貴重な実例とされる。土蔵はみそ蔵を備えた家財道具収納蔵を伝える遺構として貴重という。
同住宅は2014年から美術館として公開されている。