
昨年9月に95歳で亡くなるまで鎌倉で暮らした伝説の女優原節子さんの功績をしのぶ特別展「鎌倉の映画人 映画女優 原節子」が、鎌倉市川喜多映画記念館(同市雪ノ下)で開かれている。昨年11月に死去が報じられて以降、原さんゆかりの映画の上映や資料の展示を希望する声が多く寄せられ、同館が急きょ企画。貴重なプライベート写真やポスターなど約100点が並び、ファンの目を楽しませている。7月10日まで。
代表作「東京物語」や「晩春」のポスターはもちろん、目玉は公私ともに親交の深かった写真家秋山庄太郎さんが撮影したポートレート18枚。ポスターとはひと味違う柔らかな表情や満面の笑みを切り取っている。
16歳のときヒロインに抜てきされた日独合作映画「新しき土」(1937年)の公開に合わせ、原さんが欧米を訪れた際のプライベート写真を収めたアルバムも。食事の様子などあどけない姿も見られる。
「わたしのような変わりものが、よくもまあ女優をつづけてこられたものだと思います」「早く年をとって安定した中年の美しさを身につけたい」といった原さんの言葉も紹介。当時映画館前に飾られた高さ約160センチのポスターも並ぶ。
横須賀市から来館した男性(73)は「こうして写真を見ても、懐かしさは感じるが古さはない。本当に大女優だと感じる」と熱心に魅入っていた。
期間中は出演作14本が上映されるほか、トークイベントも開催される。特別展観覧は一般300円、小中学生150円。問い合わせは、同記念館電話0467(23)2500。
