鎌倉を代表する伝統工芸品・鎌倉彫を紹介する鎌倉彫会館(鎌倉市小町)が28日、リニューアルオープンする。1階にあった資料館を3階に移し、1階にはカフェやショップを新設。鎌倉彫の食器を使ったランチやコーヒーを楽しむことができ、その魅力をより身近に感じられる施設に生まれ変わった。
1968年に建てられた同会館は4階建て。東日本大震災を受けて耐震補強を施すとともに、貴重な作品を津波から守るため、資料館を3階に移設する工事を昨年12月から行っていた。
鎌倉彫協同組合の後藤尚子代表理事は「鎌倉彫を実際に手にとって鎌倉の歴史と文化を発見し、人々が交流する場に」とリニューアルの狙いを説明。内装を改修し新設した1階のカフェでは鎌倉彫の器やわん、盆に盛り付けた「刻御膳」(税抜き1500円)や、コーヒー(同430円)などを提供する。オリジナルの器などを販売するショップのほか、鎌倉彫の現代作家による作品を展示するギャラリーもある。
3階に移設した資料館は漆が紫外線に弱いため、日光が入らない内装、外気に触れない展示ケースに変えた。室町時代の仏具から発展、確立された鎌倉彫の歴史を紹介し、所蔵品の中で最も古い円形で三脚の猫足を持つ仏具「三足卓」など貴重な約50点が並ぶ。
2、4階は従来と変わらず鎌倉彫の教室を開催する。28日は午前9時半開館。問い合わせは、同会館電話0467(25)1500。