1. ホーム
  2. ニュース
  3. カルチャー
  4. 「真正とは何か」荒木悠展 横浜美術館

「真正とは何か」荒木悠展 横浜美術館

カルチャー | 神奈川新聞 | 2016年3月23日(水) 15:28

映像作家の荒木悠。映像作品「複製神殿」の前で=横浜美術館
映像作家の荒木悠。映像作品「複製神殿」の前で=横浜美術館

 簡単に複製が作成できる現代において「真正とは何か」を問う映像作家の荒木悠(30)。ギリシャのパルテノン神殿を題材にした映像作品などが並ぶ「荒木悠展 複製神殿」が、横浜美術館(横浜市西区)のアートギャラリー1で開催中だ。

 同館では、今後の活躍が期待される若手芸術家を紹介する展覧会「New Artist Picks(NAP)」を年に1度行っており、今回は荒木を選出した。荒木は2010年に東京芸大大学院を修了。これまでにアジアや欧米各地に滞在し、そこで出合った地域の歴史や食文化をテーマにした映像作品を発表してきた。

 パルテノン神殿をめぐる「複製神殿」は、今回の個展を象徴する映像作品だ。13歳で渡米した荒木が思春期を過ごした南部の地方都市ナッシュビルには、同神殿の原寸大レプリカがある。「歴史が浅い国なので、様式に頼った面があったのかもしれない。当時の人々の情熱は何だったのか」との思いを抱いていた。

 「そもそも自分が偽物ではないか、という幻想がある」と荒木。見よう見まねで覚えた英語。言い回しは誰かが言ったものを習得できる。オリジナルなものなどないのではないか。そこから本物とは何かという問いが生まれた。

 自問自答の堂々巡りを表すかのように、「複製神殿」の映像の中で荒木は、ナッシュビルの神殿の周囲をぐるぐると走り続ける。映像が映る幕の裏側にまわると、そこでは英国エディンバラにある柱だけの神殿が映し出され、そこでも荒木は周囲を走り続けている。

 当初は本家であるアテネのパルテノン神殿で撮影する予定だったが規制が厳しく、代わりに見つけたのがエディンバラの神殿だった。建設途中で放棄されているのも「逆に作品が強くなった。未完であることが、心が折れた感じで僕らしい」と笑う。

 真正への問いに答えは出ていない。「まだ不完全燃焼。ようやく表現の方法がわかってきた」と、今後も追いかけたいと話した。

 4月3日まで。木曜休館。入場無料。カフェでも展示あり。問い合わせは同館電話045(221)0300。 

横浜美術館に関するその他のニュース

カルチャーに関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング