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個性光る新鋭美術家展 相模原の西村大喜ら5人紹介

カルチャー | 神奈川新聞 | 2016年2月29日(月) 12:31


石の魅力は「存在感。何百年たっても朽ちないところ」と言う西村大喜 =東京都美術館
石の魅力は「存在感。何百年たっても朽ちないところ」と言う西村大喜 =東京都美術館

 今後の活躍が期待される50歳以下の若手芸術家を紹介する「都美セレクション 新鋭美術家2016」展が、東京・上野の東京都美術館で行われている。各分野で斬新な感覚を発揮する5人の作品45点が並ぶ。

 取り上げられるのは、花沢洋太(洋画・独立美術協会)、森美樹(日本画・日展)、西村大喜(彫刻・国画会)、武田司(工芸・日展)、戸田麻子(洋画・二紀会)。同館が毎年春に開催する「公募団体ベストセレクション美術」展の出品作家から選抜された。

 相模原市在住の西村は、石彫で植物など自然にあふれる生命感の表現に取り組んでいる。黒い御影石で道端の雑草を表した「zassou」は、まるで多肉植物のようにぷっくり膨らんだ4枚の葉が特徴的だ。

 「アトリエの作業場の足元に生えている雑草でも、生命感にあふれて美しく見える」と西村。石という硬質な素材で生命の豊かさを伝えたいと、丸みをつけてふっくらとさせた。

 「人に嫌悪感を与えないように心がけているが、シンプルな中にも我は入れたい。でも映画を見るときのように、鑑賞者が好きなように感じてもらえればいい。葉っぱがお尻に見えるのなら、それはそれでいいんです」とほほ笑む。

 最近は、多くの人との出会いを経たことで人のぬくもりも込めたいという。「絵画の母子像などを見ると母親の温かみを魅力的に感じる。そういうものも取り入れたい」。近作の「the memory」には、湾曲した部分に人が手首を曲げたときのしわのような線を入れて、人体の感触を表現した。

 2011年に四国八十八カ所の霊場を巡るお遍路を体験。「各地域や集落で大事にされている仏像があった。自分も多くの人に大事にしてもらえるものを作らなければと思った」

 大きな作品を作りたいとの思いがある。パブリックアートとして相模原の町に溶け込んだ作品を、将来作ることができれば、と願っている。

 3月15日まで。7日休館。5日午後2時から西村、森、戸田によるギャラリートークあり。一般500円、65歳以上300円。問い合わせは同館電話03(3823)6921。

 
 

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