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服部宏のシネマパラダイス
黒人と白人芸人コンビの光と影 「ショコラ 君がいて、僕がいる」

カルチャー | 神奈川新聞 | 2017年1月19日(木) 11:32

(C)2016Gaumont/Mandarin Cinema/Korokoro/M6Films
(C)2016Gaumont/Mandarin Cinema/Korokoro/M6Films

 20世紀初頭のフランスで、黒人と白人の芸人コンビが人気を集めていた。フランス映画「ショコラ 君がいて、僕がいる」は実話に基づいて彼らの光と影を映し出す。

 奴隷の子、ショコラに芸人としての才能を見いだしたフティット。2人は斬新なパフォーマンスによって田舎のサーカスで喝采を浴びる。コンビはパリでも富と名誉を手にするが、人種差別に苦しむショコラは酒とばくちにおぼれる。やがてフティットとの間に溝が-。

 ショコラには「最強のふたり」のオマール・シー=写真右、フティットにはチャプリンの実孫、ジェームス・ティエレ=同左。ともに、身体能力が高い。特に道化師役のティエレ(チャプリンそっくり!)の切れ味。主役はショコラだが、肌の色を超えて芸を高めようとするフティットに、近代的なプロフェッショナル精神を見る。

 それにしても、なぜ、今、20世紀の黒人芸人なのか。答えは明らかだろう。ショコラへの激しい差別が、移民排斥、排他主義、不寛容が勢いを増しつつある現代に重なる。不法移民として逮捕したショコラを、警官が裸にして「色を白くしてやる」とデッキブラシで激しくこする拷問。植民地博覧会では有色人種が見世物として“展示”される。ロシュディ・ゼム監督は歴史に埋もれた芸人をよみがえらせる一方で、自国の暗部をも見据える。

 落魄(らくはく)のショコラが「俺は肌の色を変えたかった馬鹿な黒人だ」とつぶやく終盤。「俺たちは王様だった。2人なら無敵だった」と返すフティットの高潔さが胸を打つ。

 安っぽい青春ドラマのような副題は蛇足。1時間59分。21日から東京・シネスイッチ銀座、2月4日から横浜のシネマ・ジャック&ベティで公開予定。

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