豊かな海と釣り場を復活させよう-。つり船太田屋(横浜市金沢区乙舳町、太田一也船長)とNPO法人「金沢八景-東京湾アマモ場再生会議(金アマ会議)」(代表・横浜市立大学塩田肇准教授)は16日、金沢八景沖でアマモの種約1万粒を放流した。新たな藻場を作り、魚の産卵場や隠れ家の再生を目指す。
遊漁船を営む太田屋は今後も活気ある釣り場を子孫に残そうと、海の再生活動をしている。同じ志を持つ「金アマ会議」と協力、2度目の放流につながった。
アマモの種は「金アマ会議」のメンバーの工藤孝浩さんが6月、海の公園(同区海の公園)で採集、半年かけて熟成させたもの。水溶性の特殊な紙粘土を平らに伸ばし、種を50~60粒埋め込んだ「アマモ煎餅」(直径6~7センチ、厚さ約1ミリ)を200個ほど作った。
この日、船宿を訪れた釣り人にアマモ煎餅が手渡され、船宿から近い、水深約2メートルの砂泥地の浅場に放流した。参加した沖原新吾さんは「いずれは釣り人に返ってくる。放流はいいこと」と話した。
アマモの種は約1割が定着するという。工藤さんは「藻場が広がれば、水質・土壌の浄化につながり、小魚やそれを追ってきた大型魚も住み着き、金沢の海に豊かさが戻るのでは」と話している。