
横浜を拠点に活躍した日本画家、中島清之(きよし)さん(1899~1989年)の画業を振り返る展覧会「横浜発 おもしろい画家 中島清之」が3日、横浜美術館(横浜市西区)で始まる。2日には報道向け内覧会と開会式が行われた。
会場には対象に真摯(しんし)に向き合い、日本画の可能性を追求した結果、さまざまな画風をたどった中島さんの作品や資料約180点が並ぶ。伝統的な花鳥画をはじめ、大胆なデフォルメで歌手のちあきなおみさんを描いた「喝采」や波を幾何学的な表現で捉えた抽象画のような作品など、見る人を驚かせるほど豊かな表現の幅がある。晩年に取り組んだ三渓園(同市中区)の臨春閣のふすま絵も展示する。
中島さんの次男で美術評論家の洋光さんは「これが同じ画家の作品か、ふざけていると思う人がいるかもしれないが、一点一点が入魂の作品。清之は描きたい物を描きたいように描き続けた画家だ」と話した。
3日は同館の開館記念日で観覧無料。同展は2016年1月11日まで。神奈川新聞社などの主催。木曜と12月29日~1月2日休館。一般1200円、高校・大学生800円、中学生400円、小学生以下無料、65歳以上1100円。問い合わせは同館電話045(221)0300。