
違法風俗店だった店舗をアートで再生し、街の活性化につなげるイベント「黄金町バザール2015 まちとともにあるアート」が、10月1日から横浜市中区の黄金町周辺で開かれる。NPO法人黄金町エリアマネジメントセンターの主催。21日には展示する作品を手掛けるアーティストの姿を見学する「制作現場ツアー」が行われた。
同NPO法人の推薦や公募で選ばれた、国内外のアーティスト14組が黄金町周辺に住み込み、期間中は空き店舗をスタジオにして作品を展示する。
アーティストの1人、ドイツ出身のヴェレナ・イセルさん(33)は、8月から同町で暮らしている。白い壁に彫刻や絵画の飾られたスタジオの奥には、かつて売春が横行していたという3畳ほどの和室があった。アートで彩られる街の明るさの奥には、違法風俗店が密集していた歴史があることを表現したいという。「来てくれる人が、歴史の上に今の街があることを学べる作品を作るにはどうしたらいいか、今も考えている」
ツアーに参加した15人は京急線高架下付近のスタジオを訪問し、6人のアーティストの制作ぶりを見学。作品に込めた思いや、試行錯誤して作品と向き合う姿に触れた。
ツアーに参加した東京都武蔵野市の会社員の女性(42)は「作品が完成する過程を見られたのは新鮮だった」と話していた。
イベントの問い合わせは、同NPO法人電話045(261)5467。