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「目標は200万円」 映画制作支援して 撮影資金をネットで募る

カルチャー | 神奈川新聞 | 2015年9月4日(金) 18:14

伊豆大島に移住した人たちと語り合う高野徹監督(写真右)
伊豆大島に移住した人たちと語り合う高野徹監督(写真右)

 ――映画制作を支援して。

 映画監督・高野徹さん(27)が、9月下旬から伊豆大島(東京都大島町)で行う撮影の前に資金をネットで募っている。横浜国立大学大学院を卒業した高野さんは、職業映画やテレビドラマの助監督、広報映像制作を行うなど多方面で活躍。2010年に制作した「濡れるのは恋人たちだけではない」は国内だけではなく中国などアジアの映画祭にも出品され高い評価を得ており、注目株として期待されている。

 目標額は200万円。インターネットなどを通じ、不特定多数の人に資金提供を求める「クラウドファンディング」で賛同者を募る。支援は3000円からで、金額に応じて映画のチケットや作品の完成披露上映への招待などの特典を贈る。開始約1カ月で67万6000円が集まっている。


 8月にスイスで開かれた第68回ロカルノ国際映画祭で最優秀主演女優賞と特別脚本賞のW受賞に輝いた「ハッピーアワー」に助監督として参加していた高野さんは、同作で濱口竜介監督(36)がクラウドファンディングを利用していたことから、自身の作品にも取り入れようと着目。映画は東京の魅力を高める多様な事業を展開する「アーツカウンシル東京」(東京都千代田区)の東京芸術文化創造発信助成(単年助成プログラム)の対象にも選ばれ、完成後は国内外の映画祭に出品していくほか、劇場公開やネット配信も視野に入れている。

 高野さんと伊豆大島との縁ができたのは2013年7月。俳優の三浦春馬らが出演する映画「東京公園」を観て、景観の美しさに惹かれた高野さんが舞台となっていた同島に出向いたことが始まり。年々増えているという都心部から大島への移住者と出会い、疲弊した都会の姿が浮かんだという。宿泊したゲストハウスで性別や年齢、国籍も越えた出会いを経験し、感じた豊かさを映像に収めたいという思いが生まれた。


 芽生えた気持ちが信念に変わったのは、同年10月に発生した台風26号だった。土砂災害など甚大な被害をもたらした渦は、夏に高野さんが出会った人の命も奪った。高野さんは「映画にできたらいいなでという願望ではなく、映画にしなくては」と突き動かされ、初の長編映画に挑むことを決めた。物語は伊豆大島出身の青年が、友人の仕事を手伝うため10年ぶりに帰島し、出会った3人の女との恋に落ちる様子を描いていく。資金はクラウドファンディングのプラットフォーム「モーションギャラリー」の中にある「島の女たち(仮)」特設ページで11月27日まで受け付ける。(https://motion‐gallery.net/projects/fimoshima)。

 
 

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