
身近に見られる月などの天体や風で揺らぐ水面などを独自の視点で美しく切り取る写真家の遠藤湖舟さん(60)の個展「天空の美、地上の美。」が29日、横浜駅西口の横浜高島屋ギャラリーで始まった。大型プリントやアクリルボード、びょうぶに仕立てた写真など約130点が並ぶ。
建物やネオンなどの明かりが水面に映って風に揺らぐ様子を捉えた「ゆらぎ」シリーズは、抽象画や印象派の絵画のようにも見えて人気を集めている。
会場では同シリーズを大型のアクリルボードにプリントして、立体的に組み立てた「ゆらぎゲート」を設置。水中から眺めるような感覚を楽しめる。
同展のために、みなとみらい地区の運河で新たに撮影した4点も展示。色とりどりに変化する観覧車の明かりがゆらゆらと水に溶けるような、不思議な面白みを表現した。
「季節や時間によって表情を変えるので、撮っていて楽しい。身近にあるものだが、実は普段、じっくり見ていることが少ないと気付かされるのでは」と遠藤さん。「みなとみらいは水辺に近づきやすいので、皆さんも撮影してみてください」と、揺らぎ写真への挑戦を勧めた。
8月10日まで。一般800円、高校・大学生600円、中学生以下無料。問い合わせは横浜高島屋電話045(311)5111。