横須賀市鴨居2丁目の銭湯「銀泉浴場」で9日、浴場の壁面に描かれた背景画の描き替えが行われた。14年ぶりの作業で、富士山や松を描いた鮮やかな絵がお目見えした。
同浴場は1953年ごろにでき、61年ごろから現在の店主の林秀雄さん(80)が運営する。描き替えは主に関東圏で活動するペンキ絵師の田中みずきさん(32)=東京都町田市=が担当した。田中さんは美術史を学んでいた明治学院大学在学中に銭湯の背景画に出合い、大学3年時からペンキ絵師の中島盛夫さんの手伝いを続けるなど技術を学び、30歳で独立した。
浴場では油性ペンキを画材にローラーやはけ、絵筆を使い分け、描いていった。男湯、女湯の壁面はいずれも高さ約3メートル、幅約3・5メートル。描き替え前は男湯に西伊豆から見た富士山、女湯には石川県の見附島をモチーフにした絵が描かれていた。今回も男湯には富士山を描いたが、高い位置に配置し、女湯からも見られるよう工夫した。
林さんは「銭湯は昔からの日本の文化。親子で来てもらい、背景画を眺めながらゆったりとした気持ちでお湯につかってほしい」と話していた。
不定休(今月は24日が休み)。午後4~10時。小学生200円、中学生370円、高校生以上470円。問い合わせは同銭湯電話046(842)0469。