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箱根の自然モチーフに ガラス芸術作家の作品人気

カルチャー | 神奈川新聞 | 2015年6月11日(木) 03:00

色とりどりのガラス材が並ぶ工房で創作活動に励む田中さん=箱根町湯本
色とりどりのガラス材が並ぶ工房で創作活動に励む田中さん=箱根町湯本

 箱根周辺の山林や湖などの自然から着想を得て創作活動を行っているガラス芸術作家、田中篤史さん(32)=箱根町湯本=の作品が人気を集めている。昨年末に平賀敬美術館(同町湯本)で行われた個展では展示品がほぼ完売。現在も都内で個展が開催されており、自然豊かな箱根発の若手作家として注目されている。

 夜明け前の芦ノ湖の気泡、真夜中の山道や岩石、小田原の海岸…。日常生活を取り囲む自然から着想を得ながら、妻子や愛猫と住まう自宅の一角に設けた工房で、次々と幻想的な作品が生み出されていく。

 田中さんは、町で唯一の新聞販売店「田中新聞店」(同町湯本)の次男として箱根で生まれ育った。都内で音楽活動などをした後、8年ほど前から家業をサポート。朝・夕刊の配達や集金業務のほか、消防団など地域の活動にも参加し、合間の限られた時間で創作活動を行っている。

 ガラス工芸とは「音楽と違い、手に取って楽しめる芸術を」と探す中で出合った。通常よりも高い温度で耐熱ガラスを加工する新技術で、創造世界を広げられる可能性を感じ、のめり込んだ。真鶴町に住む工芸家に教えを受けた後、すぐに自宅の一角に工房を自作した。

 家業の新聞配達では元箱根エリアなどを担当。夜明け前の芦ノ湖をはた目にミニバイクを駆り、猛暑や豪雨の日はもちろん、雪の日も新雪をかき分け新聞を配って回る。しかしそれが、次回作の着想を得る機会でもある。

 箱根の自然は美しさだけでなく、時に猛威を振るい生活に支障をもたらすこともある。しかし、一日ごとに見せるさまざまな表情に魅せられてきた。田中さんは「暑さも寒さも、災害も自然の営み。自分の創作表現に深く関わっています」。今後も箱根の自然と向き合いながら技術や経験を積み上げ、活動の幅を広げていくつもりだ。

 個展は東京都文京区の現代美術ギャラリー「文京アート」で、13日まで。午前11時~午後6時で、入場無料。個展の問い合わせは、同ギャラリー電話03(6280)3717。


幻想的なガラス作品
幻想的なガラス作品
 
 

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