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緑の洞門「保存と安全両立可」 北鎌倉トンネルで専門家が所見

カルチャー | 神奈川新聞 | 2015年6月11日(木) 03:00

4月28日から封鎖され、通行止めになっている洞門=鎌倉市山ノ内
4月28日から封鎖され、通行止めになっている洞門=鎌倉市山ノ内

 鎌倉市が「表面の剥落の恐れがある」としてJR北鎌倉駅(同市山ノ内)脇にある素掘りトンネル、通称「緑の洞門」を通行止めにしている問題で、景観の保存を求めている市民団体は10日までに、「景観保存と安全性の両立は可能」とするトンネル工学の専門家の所見を得たと発表した。

 洞門は草木の生い茂る奇観が珍重され、観光客も訪れる。しかし市は安全対策のため洞門全体を切り崩す「開削」計画を示し、4月28日から通行止めにした。

 調査は、北鎌倉緑の洞門を守る会(北鎌倉史跡研究会)が、早稲田大創造理工学部の小泉淳教授に独自に依頼し、5月8日に実施。小泉教授は数多くの鉄道、道路トンネル建設の検討委員を歴任したトンネル工学の第一人者で、近年は国土交通省関東地方整備局の横浜湘南道路シールドトンネル工事委員も務めた。

 小泉教授は6月1日に同会が開催した集会に訪れ、調査の所見を説明。「安全に『絶対』はないが、すぐに封鎖するほど傷んでいない」とし、「今ある景観を残して安全性を高める方法はある」と指摘した。

 具体策として(1)木の根を伐採し岩のひび割れを防ぐ(2)アンカーボルトや割れ目へのコンクリート注入などで補強する(3)洞門のアーチを整形する(4)素掘りの風情を残すために透明塗料を吹き付ける-などを提案。

 「切る(開削する)のは簡単だが、それではどこにでもある景観になってしまう」と述べ、工事費の面でも「(洞門を)保存するのと切るのとでは大差ないだろう」との見方を示した。

 所見の内容は、同会が今月中に発行する「緑の洞門ニュース」の第4号に掲載予定。一方、市道路課は、洞門の構造評価を第三者機関の日本トンネル技術協会に依頼し、8月中旬までに得られる結果を基に工法を再検討するとしている。

 
 

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