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海老名・上浜田古墳群で勾玉出土 6日に市民見学会

カルチャー | 神奈川新聞 | 2015年6月5日(金) 03:00

(左)最初に見つかった鉄剣(右)出土した勾玉やガラス玉
(左)最初に見つかった鉄剣(右)出土した勾玉やガラス玉

 海老名市教育委員会はこのほど、同市浜田町の上浜田古墳群・第2号墳で鉄剣や勾玉などが出土したことを明らかにした。市内には相模川沿いの丘陵に国指定史跡の秋葉山古墳群など多くの古墳が見られるが、出土遺物は土器類が主体で、副葬品が見つかったのは今回が初めてという。市教委は6日、現地で市民見学会を開く。


 

 市教委によると、今回の調査は2014年3月、公園として保存されている上浜田古墳群・第2号墳の墳頂部で市民が偶然、鉄剣の一部を見つけたため、急きょ実施された。

 現地を調べた結果、鉄剣の破片やガラス玉など数点を発見した。これまで第2号墳では保存を優先し、埋蔵文化財の発掘調査が行われていなかったことから、今年3月に墳頂部の一部を広さ縦約4メートル、横約7メートルにわたり掘り下げたところ、深さ約10センチまでのまとまった範囲で勾玉2個と大小のガラス玉約30個などを発見した。

 鉄剣は三つの破片からなり、つなげると長さ約80センチ、最大幅約6センチと推定。腐食は進んでいるものの、木製のさやが残っている。今後、エックス線解析などを行って詳しい形状や製造年代を推定するとしている。

 市教委は「盗掘の恐れがある」などとして、発端となった鉄剣発見の公表を控えていた。第2号墳は墳頂部に掘削の痕跡がなかったため、表面の風化が進んで土砂が次第に流出、地中にあった鉄剣が露出したとみられるという。

 市内の古墳時代(3~7世紀)の主要遺構は、古い順に秋葉山、上浜田、伊勢山の古墳群がある。中期(4世紀後半~5世紀後半)の築造とされる上浜田古墳群は南北に続く丘陵の尾根に6基以上が連なる。

 第2号墳は長さ約30メートル、幅約18メートルの楕円形で高さ約5メートル。周辺の宅地開発が始まり、近接する1号墳とともに三塚公園として整備され、1980年から市が管理している。

 三つの古墳群からはこれまでの発掘調査で土師(はじ)器と呼ばれる素焼きの土器やつぼ、高杯、埴輪などの土器類が出土している。しかし、今回のような鉄剣や勾玉、ガラス玉など一般的な副葬品は未発見だった。

 市教委は「鉄剣は腐食してはいるが、保存状態は比較的良い。解析を進めて上浜田古墳群の成り立ちを解明することにつなげたい」と話している。

 6日の現地見学会は午前10時半から、午後1時半からの2回。事前申し込みは不要。問い合わせは、同市教委電話046(235)4925。


初の副葬品が見つかった上浜田古墳群・第2号墳 =海老名市浜田町の三塚公園
初の副葬品が見つかった上浜田古墳群・第2号墳 =海老名市浜田町の三塚公園
 
 

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