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「氷川丸」アニメ映画に 3次元CGで

カルチャー | 神奈川新聞 | 2015年5月19日(火) 03:00

建造から85年の歩みがアニメ映画化される「氷川丸」
建造から85年の歩みがアニメ映画化される「氷川丸」

 戦前から残る唯一の大型貨客船「氷川丸」を舞台に、乗船する人たちのドラマを描いたアニメーション映画「氷川丸ものがたり」の製作発表会が18日、横浜市中区の氷川丸船内で開かれた。原案の八田圭子プロデューサー(51)は「氷川丸の建造から85周年、戦後70年の節目に公開することになった。戦争を知ることで今の平和の大切さを感じてほしい」と意欲を語った。

 映画は、北米シアトル航路に就航していた戦前の氷川丸に見習い調理員として乗り込んだ次郎が主人公。太平洋戦争に翻弄されながら成長を遂げていく次郎や仲間たちの物語だ。病院船や復員船となった後、戦後にシアトル航路に復帰した氷川丸を、時代考証を重ねた上で3次元コンピューターグラフィックスで描くという。

 原作は、かまくら春秋社(鎌倉市)の伊藤玄二郎代表取締役が著した「氷川丸ものがたり」。八田さんが「氷川丸を通じて平和の海の大切さを描きたい」と映画化を働き掛け、同社と虫プロダクション(東京)が製作委員会を組織した。

 「それいけ! アンパンマン」シリーズが代表作の大賀俊二監督(58)は「戦争へと進む中で次郎たちが示した勇気や正義とは何だったのか。子どもたちにも考えるきっかけになってほしい」と話す。

 ロードショー公開は8月22日から、横浜ブルク13(TOCみなとみらい6階)。その後、全国約20の劇場で順次公開する予定。3年間で地域上映会を中心に全国で展開し、公民館での上映や学校団体鑑賞などを行い、計100万人の鑑賞を目指している。

 製作委は趣旨に賛同し、協力する人を対象にした前売り券(1枚1100円)の普及を進めている。協力者向けの完成試写会は7月28、29日、横浜・関内ホール小ホールで開く。問い合わせは製作委横浜事務所(日本郵船氷川丸内)電話090(6018)3161。


「氷川丸ものがたり」の製作発表を行う八田プロデューサー(左から3人目)ら=横浜市中区の氷川丸
「氷川丸ものがたり」の製作発表を行う八田プロデューサー(左から3人目)ら=横浜市中区の氷川丸
 
 

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