養蚕業が盛んだった地域の歴史を知ってもらおうと、相模原市緑区吉野の郷土資料館「吉野宿ふじや」で飼育されているカイコのふ化が始まった。
昨年夏、業者から幼虫150匹を購入して、カイコを観察できるコーナーを設置。今年は、昨年飼育していたカイコの成虫が産んだ卵がかえった。同館によると、2千~3千匹ほどいるという。
カイコは4月下旬にふ化を始め、現在は体長2センチほどの幼虫。同館の管理人らが“食べ盛り”のカイコのために、餌となる桑の葉の調達や、ふんの掃除などの世話をしている。
管理人の一人、内田良教さん(65)は「まさかこんなにたくさんふ化するとは思わなかった」と驚く。「カイコ(養蚕業)は、かつての農家の現金収入で大事なもの。生の展示を見て、当時の人たちの生活を知ってほしい」と話している。
問い合わせは、吉野宿ふじや電話042(687)5022。