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「馬車道」今どこに? 中島清之さんの屏風絵

カルチャー | 神奈川新聞 | 2015年5月11日(月) 03:00

所在不明となっている中島清之の「馬車道」(横浜美術館提供)
所在不明となっている中島清之の「馬車道」(横浜美術館提供)

 大正、昭和にかけて横浜を拠点に活動した日本画家・中島清之(きよし)さん(1899~1989年)。横浜美術館(横浜市西区)は現在、所在が分からなくなっている中島さんの作品「馬車道」を探している。11月に同美術館で開催予定の中島さんの回顧展で展示したいとしている。

 同作品は、中島さんが22歳のころの22(大正11)年に描いた二曲一双の屏風(びょうぶ)絵。馬車道に並ぶ和装小物店や糸屋、果物店の店構えと、店頭で品定めをする女性たちの様子を捉えている。

 はかまにブーツ姿の女学生や白いフリルのエプロンを着たおかっぱ頭の女の子など、描かれた人たちを通して当時の風俗もうかがえる。当時、輸入が始まったばかりのバナナが果物店に並び、関東大震災直前の華やかな商店街の雰囲気を、いきいきと描き出している。

 同館の内山淳子学芸員によると、約20年前に市内のある所蔵家が手放したところまでは分かっているが、その後の所在は不明。図録のために撮影した画像が残っている。「画家として身を立てようと決意を固めていく中島に、開港地・横浜の進取の気風が影響を与えたことを示す重要な作品。ぜひ展覧会で紹介したい」と話す。

 中島さんの制作当時の日記には、同作のために馬車道で行ったスケッチの描き込みや構想メモが記されている。三つの店の並びは、あちこちの店を組み合わせて再構成したと分かる。内山学芸員は「同作が見つかれば日記と併せて展示したい」と話している。

 情報は同館の内山学芸員へ電話045(221)0300(木曜休館)。

 
 
 

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