川崎の歴史や人物をテーマにした「川崎郷土・市民劇」が9日、川崎市多摩区登戸の多摩市民館で上演された。公募で集まった市民や劇団メンバーが、詩人で「六甲おろし」の作詞者でもある佐藤惣之助(1890~1942年)の半生を、歌や踊りを交えて演じた。
創作劇「華やかな散歩」は、川崎町砂子(現・同市川崎区)に生まれ、大正期から前衛詩人として活躍し、昭和期に入って時代を代表する歌謡曲の作詞も手掛けた惣之助の、妻との愛や戦争に進む時代の苦悩を描く作品。劇中、惣之助の詩や俳句の朗読、作詞した「赤城の子守唄」「湖畔の宿」の歌や舞踊なども披露された。観客は彩り豊かな舞台を楽しんでいた。
市民劇は2006年に始まり、今回が5回目。市内の文化関係者でつくる実行委員会が主催し、市、市教育委員会、市文化財団が共催している。
公演は10日まで同市民館、22~24日は市教育文化会館(川崎区)。チケットなどの問い合わせは、同実行委電話044(211)2250。