1. ホーム
  2. ニュース
  3. カルチャー
  4. 木造校舎、全国制覇 横須賀の角皆さん

木造校舎、全国制覇 横須賀の角皆さん

カルチャー | 神奈川新聞 | 2015年5月1日(金) 03:00

1049校目の木造校舎の撮影を終え、「自分に自信がついた」と語る角皆さん
1049校目の木造校舎の撮影を終え、「自分に自信がついた」と語る角皆さん

◇父との夢が完結
 木造校舎に魅せられ、各地で撮影を続けてきた角皆尚宏さん(25)=横須賀市=が、1049校分を写真に収める「全国制覇」を果たした。小学生時代に不登校に苦しんだが、夢中になれる趣味のきっかけをくれた父の支えで立ち直った。角皆さんは「人生は一度きり。好きなことを見つけて」と同じ境遇にある子どもたちにエールを送る。

 4月21日、角皆さんは取材で最後の県となった長崎を訪れ、つぶやいた。「父さん、やったぜ」-。

 5歳のころ、木造校舎が舞台の映画をビデオで見て、床のきしむ音など古い建物が醸す独特の世界観に魅せられた。

 小学4年のとき、角皆さんはいじめをきっかけに不登校となり、中学校で引きこもりも経験。小学6年のころ、見かねた父の慶次さんが何とか息子を外に連れ出そうと一緒に群馬県内の校舎を訪れた。以来、父と二人三脚で各地を巡り、撮影した学校数は千を超えた。

 しかし1月5日、一番の理解者だった慶次さんは前触れもなく大動脈解離で急逝(享年65)。父と約束した全国制覇の夢はまだ完結していなかった。

 それから角皆さんは1人で宮崎、鹿児島、長崎など九州6県の計47校を一気に巡り、撮りためた写真は1049校分に達した。事前調査で所在を確認した校舎はすべて記録した。「父が亡くなり、悲しみを拭い去るという力強い気持ちで歩いてきた」

 一区切りがつき、新たな発見もあった。「今までは父の車の運転で、ある意味で連れて行ってもらっていた。自分の足で動いて目的地まで行くことで『本当の旅人』になれた。ものすごく自信になった」

 旅行中に泣いたこともあった。喪失感で意欲がなくなってしまうかと心配したが、突き動かしたのは「趣味を超えた宿命みたいなもので、自分の生きる糧」という木造校舎への思いだ。

 引きこもりの経験者として、言えることもある。「いじめを受けたり、登校を拒否したりしている子は少なからず心に傷を持っている。それを忘れるというより、払拭できるものを見つけることが一つのステップ。何でもいいので好きなことを見つけ、それに時間を注ぐことができたら、それぞれにとって一番輝ける時間になる」

 角皆さん自身、今後の主な目標を「この膨大なデータや写真などをどのように外に向けて発信していくか」と見据える。

 7月6日から12日まで、ギャラリー「F・ROUTE(フ・ルート)」(横須賀市日の出町)で写真展「想い出の旅路」を開く。

写真に関するその他のニュース

カルチャーに関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング