◇昭和史を問い直す
平和・反戦の立場から「昭和史」を共著で刊行した歴史学者、遠山茂樹の生誕100周年を記念した研究業績展が、横浜市立大学(同市金沢区)で開かれている。安倍政権が憲法改正を視野に入れた動きを見せる中、戦後70年の節目の年に、日本の近現代史を問い直す狙い。
遠山は1955年に政治学者の今井清一、歴史学者の藤原彰らと「昭和史」を執筆した。内容について文芸評論家・亀井勝一郎と論争が起こり、その後の歴史認識をめぐる議論の出発点となった。58年からは横浜市大教授。著作も多く、近現代史に大きな足跡を残している。
展示はキャンパス内のいちょうの館と学術情報センターで行われ、パネル、写真、著作物、論文など計約50点を展示している。
会場を訪れた元教え子の女性(68)は、「情熱にあふれた先生の講義は、ひときわ光っていて、必ず出席した。懐かしい」と話した。
無料。いちょうの館は4月10日まで、学術情報センターは5月20日まで。問い合わせは横浜市立大学学術情報課電話045(787)2076。
【神奈川新聞】