「ともに明るく、道は開くよ」「私は頑張れるよ。みんなも頑張れるよ」-。茅ケ崎市在住でダウン症の中野暢子さん(35)のイラストや詩を集めた個展が18日、茅ケ崎市美術館(同市東海岸北1丁目)で始まった。色鮮やかなイラストのほか、前向きなメッセージが込められた詩など約600点が展示されている。22日まで。
特別支援学校を卒業した18歳ごろから、障害者支援施設で本格的に美術を始めた中野さん。その後は障害者の創作活動を支援している福祉施設「studio COOCA(スタジオクーカ)」(平塚市)に移り、平日は毎日、朝から夕方ごろまで作品を作り続けている。「話すことが苦手だった分、小さいころから絵や文字を書くのが好きだった」と母美穂子さん(64)は振り返る。
同館での個展開催は2回目で、今回はこれまでの17年間に書きためてきた作品を公開。自身の世界観を「ワンダーランド」と名付け、マーカーペンなどでポストカード大の紙に描いたカラフルなイラストを中心に展示している。
直筆した自作の詩や言葉も並べた。「大きな夢が私に、舞い降りた。神様からの、プレゼントになったよ」「みんなの心の中に一つ星があるよ!私も心の中に一つ星があるよ。不安でも一つ星がささえてくれるよ…」といった、明るい印象の作品が多いのが特徴だ。美穂子さんは「昔から前向きな性格。親としても救われている」と話す。
「イラストや詩を書くことが生きがい」と話す中野さんは、「感動した時に思った言葉や、頭に浮かんだイメージの絵を描いている。元気になれるようなメッセージが伝われば」と来場を呼び掛けている。
午前10時から午後5時まで(最終日は同3時まで)。入場無料。
【神奈川新聞】