綾瀬市のゆるキャラ「ブタッコリー」に応援の輪が広がっている。民間主導で市の公金が入らないキャラクターは、県央地域では異色。手弁当で活動するけなげな姿に、地元のラーメン店がラーメンを考案、市民もイメージソングを作るなど、PRにひと役買っている。
ブタッコリーは市内名産の豚肉とブロッコリーを組み合わせて作られたゆるキャラ。郷土愛が感じられるものを作りたいと、地元で会社を経営する斉藤隆訓さん(44)を中心とした30、40歳代の7人による「ブタッコリー推進委員会」が2009年9月に誕生させた。
11年8月には約40万円かけ、着ぐるみを制作。12年11月に市の公認キャラクターになったが、活動資金は会員のポケットマネーと、縫いぐるみやシールといったグッズの売り上げだ。現在は年間70回ほど市のイベントなどに登場している。13年11月のフィリピンの台風被害の際は率先して救援募金集めも行った。斉藤さんは「市民みんなで作り上げていくキャラクター。民間なのでフットワークも軽く活動できる」と話す。
こうした地道な活動に賛同する市民も出始めている。
同市小園のラーメン店「麺屋万年青(おもと)」は先月下旬にラーメンを発売した。チャーシューの上に、目玉に見立てたノリと鼻のハムを載せ、ブタッコリーの顔を表現。とんこつスープにブロッコリーのペーストをまぜた。1杯780円(税込み)。
活動を応援したいと考案したという店主の安田守さん(42)は「将来的に市内産の豚肉やブロッコリーを使い、B級グルメの祭典『B-1グランプリ』に出て、綾瀬をアピールしたい」と意気込む。また、綾瀬市民とお隣の大和市民からイメージソング2曲が相次いで提供された。
ゆるキャラのネット上の人気投票「ゆるキャラグランプリ」でブタッコリーは12年は241位、13年は294位だった。今年も参加したが、目標は「100位以内」と控えめだ。斉藤さんは「ゆるキャラブームもあと2、3年続くかどうか。演歌歌手のように息の長い活動を続けたい」と話す。
【神奈川新聞】