横須賀で建造された戦艦陸奥の模型が、横須賀市役所にお目見えした。「船の科学館」(東京都品川区)の所蔵品を借り受けたもので、来年3月まで展示する。陸奥の主砲の「里帰り」を目指す活動に弾みをつけることなどが目的だ。
借り受けたのは、小泉進次郎衆院議員ら地元国会議員、横須賀の市長、議長、商工会議所会頭と、地元出身で元統合幕僚長の斎藤隆さんが発起人となり、5月に設立された「陸奥主砲里帰りを支援する会(陸奥の会)」。
模型は100分の1のサイズで全長230センチ、幅36センチ、高さ57センチ。4日夕に同市役所へ搬入された。5日に市役所を訪れた斎藤さんは「実際に物を見ないと、なかなか分からない。陸奥というと、リンゴかなと思う人もいる。物を見て、すごいと実感してもらうのが最初。これも一つのステップ」と話した。
陸奥は1921年に横須賀海軍工廠(こうしょう)で建造。36年に同工廠で大改修が行われ、今回移設を求めている主砲が搭載された。
主砲は全長約19メートル、約100トンで、船の科学館が所有。陸奥の会は約2万5千人の署名を集め、8月4日に同館へ譲渡を要望した。
里帰りの目標は搭載から80周年の2016年9月。今月中旬から移設費を賄うための募金活動を始める。3、4千万円を目標に据えている。
【神奈川新聞】