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来館者が“V字回復” 平塚市美術館長に聞く 誘導に工夫、未来の愛好家養成も

カルチャー | 神奈川新聞 | 2014年8月11日(月) 03:00

この10年と今後の展望を語る草薙館長=平塚市美術館
この10年と今後の展望を語る草薙館長=平塚市美術館

平塚市美術館(同市西八幡)は5月、観覧者200万人を達成した。開館から23年。当初18万人を超えた年間観覧者数は、その後徐々に減少し2002年度は3万人を下回った。だが近年は10万人前後まで増やしている。“V字回復”の中心にいるのが、04年に民間美術館から転身し、「美術館を地域の憩いの場に」とさまざまな取り組みを進めてきた草薙奈津子館長だ。就任からの10年を振り返るとともに、今後の展望を同館長に聞いた。

「第一印象は、寂しい感じだった」と当時を語る。大理石を使ったぜいたくな建物だが、館長就任時の年間観覧者は3万人程度しかなかった。

民間美術館で長年学芸員を務めた経験を生かし、美術館活性化へできることから始めた。「まず取り組んだのは、親しみやすい、特に女性に喜んでもらう雰囲気づくり」。前庭の芝生には休憩用の椅子やテーブルを用意。玄関には花を置き女性が入りやすくした。

その効果か、次第に散歩で立ち寄る人などが増えてきた。敷地内から建物内へ、そしてロビー、図書コーナーへと誘導する工夫を凝らし、展示室以外は無料で利用できることをPRしたところ、徐々に利用者が増加していった。

館内に二つある700平方メートルほどの展示室は、就任当時はどちらか一つしか使用していなかった。また企画展も地元の作家が中心だったため、一般にはなじみのない展覧会となり、集客にはつながっていなかった。

そこで、絵本作家のいわさきちひろや版画家の棟方志功ら、誰もが知っている有名な作家の企画展を積極的に開催。同時にもう一つの展示室で、10年に神奈川文化賞を受賞した山本直彰や三瀬夏之介ら知名度は低いが実力のある中堅作家や収蔵作品の展覧会を併催した。有名作家目当ての来館者の7~8割が併催する展覧会も鑑賞することで、入場者は急増した。いわさきちひろ展には企画展として歴代1位の3万9千人超が足を運んだ。

こうした展示会に加え、「今後は今まで以上に力を入れる」と意気込むのが、子ども向け教育プログラムだ。5人の学芸員のうち2人が専属で教育普及を担当しており、「幼い頃から絵に親しむことが、情操教育として大切」と力説する。

例えば1~2歳児と母親が自由に描く「赤ちゃんアート」。楽しそうに取り組んでいる姿は、見ている側まで楽しくさせる。「未来の美術愛好家」の養成の一環としても重要と考えている。

平塚市美術館では31日まで、企画展「ブラティスラヴァ世界絵本原画展~絵本をめぐる世界の旅」が開かれている。入場料は一般800円、中学生以下無料。

【神奈川新聞】

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