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選抜方式の公募展に定評 小田原の美術館 若手支援20年

カルチャー | 神奈川新聞 | 2014年7月29日(火) 03:00

第1回で大賞を受賞した利根川佳江さんの作品を前に説明する須藤館長
第1回で大賞を受賞した利根川佳江さんの作品を前に説明する須藤館長

現代美術を志す若い作家を20年近く支援し続けている“小さな美術館”が小田原市堀之内にある。1990年に東京都町田市の自宅で始め、銀座を経て2007年に小田原にやって来た「すどう美術館」。館長の須藤一郎さん(78)が応募作家と面接して選抜し、作品を制作してもらう公募展「若き画家たちからのメッセージ展」は若手育成の手だてとして定評を得ている。今年は8月19日から同月31日まで開催される。

同展は1995年にスタートし、今年で17回目を迎える。今回は応募約20人の中から面接で12人が選ばれ、現在展覧会に向け制作中だ。「作家は孤独なものだが、どれだけ自由に作りたいものを作り続けられるか。作家が人とのつながりを大切にしながら育ってほしいと思い、こういう方法をとっている」と須藤館長は語る。

須藤館長自身は大手保険会社のサラリーマンだった。46歳の時に、妻の紀子さん(73)と美術館で見た故・菅創吉さんの作品に感動して絵を集めるようになった。収集が高じて「感動を少しでも多くの人に」と美術館として自宅を開放。以来夫婦二人三脚で運営し、小さな美術館としてテレビ番組でも取り上げられたこともある。

小田原には縁あって、画家のアトリエ兼自宅を借り受けられることになり、引っ越した。

メッセージ展に出展した作家はこの20年で300人にも上る。第1回で大賞を受賞したオブジェ作家の利根川佳江さん=東京都世田谷区=が美術館のオリジナルグッズを製作してくれるなど、多くの作家たちがいまも協力を惜しまない。

「欧米と違って若い人を支援するシステムが少ない。少しでも支援できればと思い、始めたことだが、どうか見る人も気楽に、花や風景を楽しむように現代美術も見に来てほしい」と須藤館長は話している。

同美術館は小田急線富水駅から徒歩3分。問い合わせは、同美術館電話0465(36)0740。

【神奈川新聞】

 
 

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