浦賀水道を一望 小説のモデルに
金谷港から南へ約2キロ。明鐘(みょうがね)トンネル手前の道端に「音楽と珈琲」と書かれた小さな看板がある。鋸山(のこぎりやま)の麓・明鐘岬の突端で営業を続けて36年。店主の玉木節子さんが一人で切り盛りする喫茶店。玉木さん選曲のジャズが流れる店内で、浦賀水道を行き交う大型船を眺めながら、鋸山の湧き水で入れたドリップコーヒーを味わえる。森沢明夫の小説「虹の岬の喫茶店」(幻冬舎文庫)のモデルにもなった。
2011年1月に店は火災により焼失したが、常連客らの手作りで同年12月によみがえった。同小説を基にした映画「ふしぎな岬の物語」が今秋、吉永小百合主演で10月11日全国ロードショー予定。「秋冬は夕日と富士山のシルエットが特に美しい」と玉木さん。