現在放映中のNHK大河ドラマ「軍師 官兵衛」の制作統括プロデューサーの中村高志さんによる講演会「軍師官兵衛の北条講和交渉~天下統一への最後の王手」が1日、小田原市の市民会館で開かれた。詰め掛けた市民約120人が熱心に耳を傾けた。
NPO法人小田原まちづくり応援団(平井丈夫理事長)の主催。同法人の活動拠点である「清閑亭」(同市南町)が、官兵衛から数えて14代目に当たる黒田長成侯爵の旧別邸であることなど小田原との縁もあって、講演を企画した。
中村プロデューサーは、26回の放送を終え、40回目が小田原合戦になることを紹介しながら、官兵衛が戦国時代にあって人の命を大切にしたことなど、現代人が共感できる面を持っていることを大河ドラマ化の理由として挙げた。
北条との講話交渉については「官兵衛に感謝して(5代氏直が)国宝の刀剣『日光一文字』や吾妻鏡などを贈っている。この辺が交渉過程で何か秘密があったのでは、と思わせられる」と指摘した。続いて北条氏研究を長年続ける市教育委員会学芸員の山口博さんも講演。「氏直が父や叔父の死を望んだのか。贈り物をいつ贈ったかが重要になる」と話した。
会場には加藤憲一市長も駆け付け、「北条五代を大河ドラマに」の横断幕も掲げられ熱気にあふれたが、この件についての直接的な言及はなかった。
【神奈川新聞】