「日本一の芝生公園」を目指し、地域の住民たちが手入れを続ける公園がある。芝生が青々と輝き、小石やごみがない「新ゆりアートパークス」(川崎市麻生区上麻生)。野外イベントやヨガ、撮影会-と、素足で過ごせる“オアシス”は、用途の拡大とともに維持管理へのサポートの輪も広がっている。住民たちは「市民が誇れる公園を守り、美しい街づくりに貢献したい」と汗を流す。
小田急線新百合ケ丘駅から徒歩10分ほど。マンションや教育関連施設などに囲まれた三角形の広場がアートパークスだ。毎週土曜、近隣住民で組織する管理運営協議会が、雑草除去や剪(せん)定に汗を流す。
アートパークスは市の公園として2007年に開設。約3200平方メートルのうち約7割に芝生が植えられたが、すぐに雑草が伸び、芝生が剥がれるなどして荒れ始めた。
協議会の会長(74)は「駅南側の“表玄関”として美しい芝生を維持したい」と自ら手入れを始め、共感した住民が仲間に加わって愛護会を設立。「日本一」をスローガンに、家庭用スプリンクラーで水をまくなど、7年間活動してきた。2年前に協議会となり管理運営を担う。
「人が入れるまでに3年かかった」と会長。努力のかいあり、12年に緑の愛護の功績を認められ国土交通大臣賞を受賞した。
美しさを維持するため利用には申し込みが必要。ごみを残さないなどのルールを守ることが条件で、近くの保育園の散歩や行事、町内会の懇親会などに使われている。
【神奈川新聞】