
横浜在住の落語家・桂枝太郎さん(36)が7月12日、横浜にぎわい座(横浜市中区野毛町)の大ホールで独演会を開く。枝太郎襲名から5年を迎え、「三代目枝太郎まつり」と題して、師匠や友人らもゲスト参加。枝太郎さんは「女の子が浴衣で来られるような、夏祭りにしたい」と意気込んでいる。
枝太郎さんは桂歌丸さんの弟子で、18歳で岩手県から横浜に出てきて18年。東日本大震災後は、月に1度は故郷でもある被災地を訪れ、仮設住宅などで落語会を開いてきた。「久々に笑った」と喜んでくれる人たちに、落語の力をあらためて教えられたという。
31歳の若さで真打ちに昇進した実力派は、“地元”にぎわい座の小ホールでは毎年2回ほど独演会を開いてファンも定着。しかし、約400人収容の大ホールは初めて。関係者から2月に打診され、「無理です」と即答したものの、「次はもうないよ」と返され、慌てて「やります」と言い直したという。「お客さんを集めないと2回目がない」と表情を引き締める。
今までの集大成となる大舞台では「守りではなく、新しいことも」と夏祭りをテーマにした新作落語を披露するほか、「夏祭りらしいサプライズもいろいろ考えているんです」。
歌丸師匠や、「一方的にライバルと思っている」という漫才師ナイツ、「飲み友達」の狂言師・三宅右矩、近成さんも出演。「落語、漫才、狂言の共演は珍しい。他力本願でもいいから客席を埋めて、枝太郎まつりを横浜の夏の風物詩にしたい」と熱く語る。
午後6時開演。全席指定3080円。問い合わせは横浜にぎわい座電話045(231)2515。
【神奈川新聞】