
小田原市や南足柄市など県西部を拠点に歴史を研究している8団体による合同展示会が30日、開成町延沢の町民センターで始まった。福沢諭吉の直筆の手紙などの歴史資料や、地元ゆかりの武将にまつわる史跡、酒匂川の治水の歴史などを紹介している。6月1日まで。入場無料。
小田原・足柄の歴史団体交流会の主催。会場には各団体の研究成果が写真パネルや会報誌、実物資料などで展示されている。
諭吉直筆の手紙は、門下生から酒を贈られ、礼状としてしたためたもの。家族と一緒に鎌倉市の由比ケ浜を訪れたり、箱根町の温泉で休養したりしてしばらく自宅を空け、お礼が遅くなったことをわびるくだりも見られる。
また、百万遍(べん)念仏講で使われた江戸時代の数珠や、五・一五事件を起こした海軍青年将校が獄中で描いた書画など、団体の会員や地域住民が所有している歴史資料などが並ぶ。
このほか、治承4(1180)年の石橋山の戦いで討ち死にした佐奈田與一にまつわる史跡、「暴れ川」と呼ばれた酒匂川の治水の歴史や流域の観光資源、最乗寺の歴史などを伝える研究成果も展示されている。
来場した開成町の主婦(74)は「地元のことでも新たな発見があった。町はどんどん変わっていくので、若い人にも見てもらって歴史を知ってほしい」と話していた。
【神奈川新聞】