多摩美大の全仕事振り返る個展、鎌倉の洋画家・大津さん
カルチャー | 神奈川新聞 | 2014年4月9日(水) 03:00
少女像やパリの風景などを描いて人気の洋画家、大津英敏(えいびん)さん(70)=鎌倉市在住=の多摩美大教授退官記念の個展が、多摩美大美術館(東京都多摩市)で開かれている。代表的な油絵や水彩画、新聞小説の挿絵など99点が並び、これまでの全仕事を振り返っている。21日まで、入場無料。
1979年に画業のため家族でフランスに渡り、81年の帰国をきっかけに娘をモデルにした少女像を描くようになった。83年、長女を描いた作品で、新人洋画家の登竜門とされる安井賞を受賞。3人の子どもたちの成長後は、パリや自宅近くの鎌倉の海など、思い出深い風景に取り組んでいる。同大では89年から後進の指導に当たり、3月末に退官した。
同展では2009~10年に神奈川新聞で連載された堺屋太一さんの小説「三人の二代目」の挿絵や、娘たちがモデルを務めた際に着たフランス製の衣装も展示している。
今後について「孫娘が生まれたので、また家族を描こうかなと思っています」と大津さんはほほ笑む。
火曜休館。13日午後2時から、ギャラリートークとサイン会を行う。問い合わせは同美術館電話042(357)1251。
【神奈川新聞】