
昔々、逗子にまだたくさんキツネが住んでいたころのこと-。地元に伝わる昔話を集めたお話会が5日、逗子市立図書館(逗子4丁目)で開かれた。小坪に池子、沼間、山の根。自分のまちの地名が次々出てくる物語に、親子連れ約40人が耳を傾けた。
15日に市制施行60周年を迎えるのを記念して同図書館が主催。披露されたのは、海続きだった沼間の沼地が舞台の「大蛇たいじ」や、山の根や池子を流れる川にいたいたずら好きのカッパの話「かっぱまつ」。
小坪のめおとギツネが人間を化かしては魚を取る紙芝居「お夏ぎつねと孫三郎ぎつね」は物語の最後で、「新鮮な魚をいつも食べられて幸せね。逗子って良いところね」とキツネがしみじみ語って締めくくられる。子どもも大人も、興味津々の表情で聞き入っていた。
同市久木から長女(5)と長男(3)を連れてきた主婦(37)は、「自分のまちの昔話は新鮮。また愛着が湧きました」と話していた。同じお話会は、17日にも同図書館で開かれる。
【神奈川新聞】