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谷戸地域再生へ広がる交流 横須賀・アーティスト村のいま

カルチャー | 神奈川新聞 | 2020年8月27日(木) 14:00

「近寄りにくい場所」が触れ合いの場に


薬王寺さん(右から2人目)に教わりながら、近隣住民がアマビエ作りに取り組んだ
薬王寺さん(右から2人目)に教わりながら、近隣住民がアマビエ作りに取り組んだ

 地域交流に意欲的なアーティストを誘致し、芸術の切り口から谷戸地域のコミュニティー再生を目指す「アーティスト村」(横須賀市田浦泉町)の取り組みが3年目を迎えた。現在は2人のアーティストが生活しながら近隣住民と交流を広げており、今秋には3人目も参加。村を通じて住民同士の新たなつながりも生まれるなど、活動が実を結び始めている。

 2018年からアーティスト村で活動する陶芸家の薬王寺太一さん(45)の企画で、疫病の流行を予言したという妖怪「アマビエ」の土偶を作るワークショップが9日に開かれた。

 地元の田浦町2丁目、田浦泉町に住む人が対象。参加した8人が田浦の粘土を使って制作したアマビエの姿は、特徴である長い髪やくちばしの形などがそれぞれ異なり、どれも個性的だ。一列に並んだ作品を見た参加者は、「展覧会をしたい」「形が面白い」などと話しながら、写真を撮ったり、造形の違いを楽しんだりしていた。

 横須賀市は、18年から谷戸地域の再生推進事業を手掛けている。同市の地形は山や丘陵が多く、広い平地が少ない。坂や細い路地が入り組む谷戸は市内に数多くあり、その地域コミュニティーの再生が目的だ。


アーティスト村で活動する(右から)薬王寺さんと山本さん。この秋から作家の折原みとさん(左)も参加する=横須賀市田浦泉町
アーティスト村で活動する(右から)薬王寺さんと山本さん。この秋から作家の折原みとさん(左)も参加する=横須賀市田浦泉町

 アーティスト活動の支援と同時に地域再生を手伝ってもらうアーティスト村もその取り組みの一つ。旧市営温泉谷戸住宅の跡地で、取り壊す予定だった長屋風の市営住宅を住まいやアトリエとして活用。昨年から現代美術家の山本愛子さん(28)も加わった。

 旧市営住宅は17年に最後の住民が引っ越した。市まちなみ景観課によると、地元でも「近寄りにくい場所」だった時期もあったという。アーティストとの触れ合いの場にもなった今は、「野菜を持って来てくれたり、(陶芸の)窯を見に来たり、楽しんでもらっている」(薬王寺さん)、「小学生と仲良くなり、一緒に遊ぶこともある」(山本さん)など、地域との関わりも深まってきた。

 アーティストとの関わりだけでなく、活動を通じて住民の間にも新たな関係が生まれている。アマビエ作りに参加した田浦泉町の60代の女性は、「隣の町内に住んでいる人とは知り合う機会が少ないが、こうして一緒に集うことで交流できる」と話す。

 昨年度は谷戸の空き家を活用した地域活性化の提案事業を募集するなど、コミュニティー再生のための方策を探っている市は「同じ時間を共有し、ちょっとしたきっかけで世代がつながるといい。谷戸の新しい価値観、コミュニティーができれば」と今後に期待を込める。


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